FXの新値足とは?意味・計算式・使い方について

第24回

FXの新値足とは?意味・計算式・使い方について

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1、新値足とは?

新値足とは、「しんねあし」と読むインジケーターです。日本の伝統的なチャート分析手法の一つで、時間の経過ではなく、価格の変動に基づいて足が描かれるチャートです。
この特徴により、小さな変動やノイズを排除し、トレンドや価格の転換点を明確に捉えることができます。
新値足は、終値を重要視しており、終値ベースで新値(高値更新や安値更新)を取るたびに新しい足が描画されるため、市場の動きが視覚的にわかりやすくなるのが特徴です。

上昇している新値足を陽線、下降している新値足を陰線といいます。陽線から陰線に切り替わるパラメーターは、一般的には描画された新値足3本分以上が反対方向に変動したときに陽線から陰線、陰線から陽線に切り替わります。陰線から陽線に切り替わることを「陽転」、陽線から陰線に切り替わることを「陰転」と表現します。
また、パラメーターは3本が一般的と言いましたが、5本や10本などもあります。証券会社やFX会社に搭載されている新値足のチャートの多くは、時間の概念を排除したものが多く、非時系列になっている場合が多いです。
今回のMT4に描画されているものは、ローソク足の動きに合わせているため時系列の新値足となっています。


   新値足(パラメーター3)

新値足(パラメーター3)

2、新値足の計算式

新値足の計算式は非常にシンプルです。ローソク足には4本値といって「始値」「高値」「安値」「終値」の4つがありますが、新値足は終値を使います。そして、終値で新値をとる(高値更新や安値更新)と新たに足が描画され、新値を取らなければ描画されません。


陽線の描画条件:直前の足から上昇して新値をとれば(高値更新)、新しい陽線が描かれます。
陰線の描画条件:直前の足から下降して新値をとれば(安値更新)、新しい陰線が描かれます。


逆転(陽転、陰転)の条件:現在の足と逆方向の足に転換するためには、新値足3本以上の反転が必要となり、その条件を満たせば、陽線だったところに陰線を、陰線だったところに陽線を描画します。


 

新値足 描画方法(時系列)

3、計算式の意味

この計算式の意味は、トレンドの持続性と変動の方向性を強調する点にあります。新値足は、終値で新値(高値更新や安値更新)をつけない限り新しい足を描かない(時系列の新値足は横に描画)ため、短期的なノイズや小さな変動を排除し、価格の大きな動きを捉えるのに適しています。これにより、トレーダーはより明確なトレンドを認識しやすくなり、仕掛けや決済のタイミングを判断しやすくなります。

4、基本の売買サイン

新値足の基本的な売買サインは、以下のように設定されます。


買いサインは、価格がドンチャンチャネルの上限を突破した場合、上昇トレンド発生のシグナルとして買いサインとします。
売りサインは、価格がドンチャンチャネルの下限を突破した場合、下降トレンド発生のシグナルとして売りサインとします。

陽転の買いサイン:陽転(陰線から陽線に転換)した場合。これはトレンド転換を意味しますが、転換する前の新値足の本数が多いほど、強い転換であると見込まれます。
陰転の売りサイン:陰転(陽線から陰線に転換)した場合。これはトレンド転換を意味しますが、転換する前の新値足の本数が多いほど、強い転換であると見込まれます。

   新値足(パラメーター3)  買いサイン

新値足(パラメーター3本)買いサイン

   新値足(パラメーター3本)  陽転の買いサイン

新値足(パラメーター3本)陽転の買いサイン

5、新値足の活用方法

新値足は、トレンドフォローやトレンド転換の判断に非常に役立ちます。具体的な活用法としては以下のようなものがあります。


トレンドフォロー戦略:新しい陽線や陰線が続く間は、そのトレンドが継続していると捉えます。つまり、上昇トレンドで買いを持ち続け、下降トレンドで売りを持ち続けるという戦略です。


逆張り戦略:新値足が長期間同じ方向に続いた後に、逆方向の新値足が現れた場合、そのタイミングで逆張りのポジションを取る戦略です。


サポート・レジスタンスの確認:新値足を使って過去のトレンドの転換点を確認し、現在の価格動向に対するサポートラインやレジスタンスラインを見つけることができます。新値足は、時間の経過に左右されず、純粋に価格の動きに基づくチャートであるため、トレンドを強調して捉えたい場合に非常に有効です。


   新値足(パラメーター3本)  新値足が抵抗線や支持線となる

新値足(パラメーター3本)新値足が抵抗線や支持線となる


陽転すれば買い、陰転すれば売りというのが基本的な活用法となりますが、応用的な活用法としては新値足もダマシがあるということを理解して、そのダマシを減らす考え方です。具体的には、陽転しても買わずに、陽転2本目で買いを入れるという考え方です。陰転の場合も陰転2本目で売るというものです。
そうすることで、一時的な陽転や陰転によるダマシを排除することができ、精度を高めることができます。


   新値足(パラメーター3本)  陽転2本目の買いサイン

新値足(パラメーター3本)陽転2本目の買いサイン



(まとめ)

新値足は終値を重視するインジケーターで、終値で高値更新したか、安値更新したかを見ています。ローソク足におけるヒゲでの高値更新や安値更新は重要度が低いという考え方です。これが、大きな特徴です。そして、新値を取らない場合は、新しい足を描画しないというのも斬新な考え方です。あくまでも、新値を取ったか、取っていないかという概念に基づいて作成されています。よって、トレンドの発生や終わり、レジスタンスやサポートが明確に浮き彫りにすることができるという特徴があります。ローソク足のメリットは細かな動きがわかることですが、デメリットとしてトレンドの発生や終わりが分かりにくいところです。これを新値足で見ることで、トレンドの発生や終わりを判断しやすくなります。新値足でトレンドを浮き彫りにし、ローソク足で細かな分析をすれば、より丁寧な分析ができるようになりますので、新値足を活用して相場の方向性や転換を見抜いていきましょう。

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小次郎講師(手塚宏二)

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チャート分析の第一人者としてセミナーで講師を務めるなど、教育活動を精力的に展開している人気講師。

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日本テクニカルアナリスト協会
認定テクニカルアナリスト

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