FXの出来高とは?意味・計算式・使い方について

第26回

FXの出来高とは?意味・計算式・使い方について

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1、出来高とは?

出来高とは、特定の期間内に取引された通貨ペアの売買数量を指し、市場参加者の活動レベルや市場の関心度を示す重要な指標です。株式市場では、特定の銘柄の売買がどれほど活発であるかを測るために使用されますが、FXの市場でも取引量として活用されています。


出来高が増加する局面は、市場の注目度が高まっていることを示し、価格変動が起きやすくなります。一方で、出来高が減少している時は、市場参加者が少なく、価格が停滞しやすい状態を示唆します。


ただし、為替市場では、正確な出来高の把握はできません。なぜなら、為替取引は市場取引ではなく、相対取引(あいたい とりひき)だからです。

株式取引は取引所がありますので、どこの証券会社も同じ市場に注文を出しますので、出来高を計算することができます。しかし、為替取引は先ほど述べたように相対取引のため各業者での取引高をそれぞれの会社のアプリで出来高として表示しているため、世界中のトレーダーがどれくらいの大きさの注文を出しているのかということが正確にはわからないのです。


では、どうやって出来高が表示されているのかというと、各FX会社で取引されている取引の量がわかりますので、それを「出来高」として表示しています。また、今回MT4で表示できる「Volumes」というインジケーターは、ティックボリュームというものを使っています。


この二つの「出来高」と「Volumes」の計算式を見ていきましょう。



   出来高
(出来高とVolumes)

出来高(出来高とVolumes)

2、出来高の計算式

出来高の計算は単純で、一定期間内に成立した売買の合計数量をカウントします。例えば、1日の出来高はその日1日に成立した取引の総数量です。

計算例:
米ドル円: 1日の出来高が1万通貨取引の単位で1000ロットの取引があれば、出来高は1000となります。500ロットの取引があれば出来高は500となります。


*1ロット=1万通貨単位であれば、1万通貨の取引が1ロットに相当します。

では、もう一つの「Volumes」を見ていきましょう。


「Volumes」はティックボリュームであるとお伝えしました。ティックとは、価格の変動回数を表すインジケーターとなっています。
価格が1回変動すれば、1ティックとなります。仮に、100回変動すれば100ティックとなり「Volumes」は100となります。

3、計算式の意味

出来高は、価格の変動に伴う市場参加者のエネルギーや関心を可視化するものです。価格が大きく動くとき、出来高が同時に増加していれば、その価格変動が多くの市場参加者の意志を反映している可能性が高いと判断されます。反対に、価格が動いているのに出来高が少ない場合は、その変動が一時的である可能性が示唆されます。また、出来高が少なく価格変動が小さい場合は相場が膠着していることがわかります。


具体的には以下のような意味があります。

価格変動の信頼性: 出来高が増加するほど、価格変動が信頼できる傾向があります。
転換点の発見: 価格がピークや底をつける際、出来高が急増することが多いです。
トレンドの持続性: 上昇トレンド中に出来高が増えれば、トレンドの継続が期待できます。



   出来高
(出来高とVolumes)

出来高(出来高とVolumes)

4、基本の売買サイン

トレンドフォロー型(順張り)

買いサイン: 出来高が増加しながら価格が上昇する時
売りサイン: 出来高が増加しながら価格が下落する時

転換点型(逆張り)

買いサイン: 価格が下落する中、出来高が急増して下げ止まる兆候が現れた時
売りサイン: 価格が上昇する中、出来高が急増して頭打ちの兆候が現れた時



トレンドフォローでは出来高の増加がトレンドの強さを示します。一方、転換点型では、極端な出来高の増加が「売られすぎ」や「買われすぎ」の可能性を示唆することがあります。


   出来高
(出来高とVolumes)

出来高(出来高とVolumes)

5、出来高の活用方法

出来高は他のインジケーターや指標と組み合わせることでさらに効果を発揮します。

価格の動きとの比較

出来高が伴う価格上昇は信頼性が高い。逆に、出来高が伴わない価格上昇は警戒すべき。

移動平均線との組み合わせ

価格が移動平均線を突破する際に出来高が増加すれば、ブレイクアウトの信頼性が高まります。

出来高は他のインジケーターや指標と組み合わせることでさらに効果を発揮します。

出来高のトレンド分析

出来高が継続して増加していれば、市場の関心が高まっているサインとなります。

オシレーターとの併用

RSIやストキャスティクスと組み合わせて、価格と出来高の乖離を確認する。これにより、相場の転換点を精度高く捉えることが可能になります。



   出来高
(出来高とVolumes)

出来高(出来高とVolumes)


(まとめ)

出来高は、価格の変動とともに市場参加者の行動や意志を反映する重要な指標です。単体でも有効ですが、他のインジケーターと組み合わせることでその効果を最大化できます。市場のエネルギーを測りながら、出来高の変化を注意深く観察することで、より精度の高い売買判断が可能になります。

出来高分析を使いこなせば、トレンドの強弱や転換点をより早く発見し、投資のパフォーマンスを向上させることができるでしょう。

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小次郎講師(手塚宏二)

小次郎講師(手塚宏二)

チャート分析の第一人者としてセミナーで講師を務めるなど、教育活動を精力的に展開している人気講師。

資格等

日本テクニカルアナリスト協会
認定テクニカルアナリスト

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