第30回
CCI (Commodity Channel Index) はドナルド・ランバート氏が1980年に開発したモメンタム系オシレーターで、価格の変動を定量化することでトレンドチャンスを探るインジケーターです。商品先物市場で使用されることが多いため「コモディティ・チャンネル・インデックス」と呼ばれますが、株式やFXなどのマーケットでも広く使用されています。
CCIは価格の比較的な高さや低さを判断するのに適しており、+100や-100の値を到達した場合に、買われすぎと売られすぎを警告するインジケーターとなっています。
CCI (Commodity Channel Index)
CCI = (TP - MA) / (0.015 × MD)
*TP(Typical Price)=(高値+低値+終値)÷3
*MA=TPのn期間の単純移動平均
*MD(Mean Deviation)=過去n期間のTPとMAの差の平均値
*n=14日が使われることが多い
この計算式は、実際の価格(TP)がTPの平均値と比較してどれだけ離れているかを示します。CCIの値が大きいほど、価格が平均値から乖離していることを示し、トレンドの勢いが強いことを意味します。
CCIが0付近にある意味を考えてみましょう。0%ということは、イメージしやすいように表現すると、現在の価格と移動平均線(TPのn期間)が接しているところになります。移動平均線と価格の差が無いというところが0になります。ということは、そこから(+:プラス)になっているところは、現在値が移動平均線より上に離れていることを意味し、(-:マイナス)になっているところは、現在値が移動平均線より下に離れていることを意味します。では、次に、CCIの数値が+100を超えているところの意味を考えていきましょう。
CCIの計算式において+100を超えているということは、分子が分母よりも大きいことを表しています。つまり、分子は現在の乖離であり、分母は過去の乖離となります。その現在の乖離が過去の乖離よりも大きくなっている状態が+100を超えている状態です。そのため、一般的に+100を超えると、買われ過ぎていると判断されます。一方で、CCIの計算式において-100を超えているということは、過去の乖離よりも現在の乖離の方が下に離れているということです。よって、-100を超えているのは売られ過ぎと判断できるのです。
CCI (Commodity Channel Index)
CCIの値が+100を超えると、価格は比較的に高く、売りのサインとなり、反対に-100を下回った場合は、買いのサインとなります。
CCI > +100 :買われすぎのサイン → 売りを検討
CCI < -100 :売られすぎのサイン → 買いを検討
現在の価格が移動平均線より上に離れていればCCIは+になり、大きく離れると+100%を超えていきます。
CCIが0値近辺の場合は、トレンドの不定な動きのため、明確な判断が難しいともいえますし、一方で、0が強気と弱気の分岐点となることもあると考えることもできます。
CCI (Commodity Channel Index)
CCIはトレンドの勢いを把握するために活用され、特に以下のような状況で有効です。
トレンド発生の初動を捉える:CCIが+100を超えた場合は上昇トレンドの可能性、-100を下回った場合は下降トレンドの可能性が高まります。
ダイバージェンスの確認:価格が高値を更新しているのにCCIが低下している場合、トレンド転換の兆しと考えられます。
ブレイクアウトの確認:CCIが急上昇または急下降した場合、市場の強い変化を捉えることができます。
CCIのダイバージェンス
シンプルな売買シグナル:+100や-100を基準に明確な判断ができる。
トレンド転換の兆候を捉えやすい:ダイバージェンスを用いることで、価格の転換点を予測しやすい。
異なる市場で活用可能:先物市場、株式市場、FXなど幅広い市場で利用可能。
ダマシが多い:CCI単体では誤ったシグナルが発生しやすく、他のインジケーターとの併用が推奨される。
横ばい相場では有効性が低い:レンジ相場ではCCIが頻繁に変動し、売買判断が難しくなる。
トレンドの継続判断が難しい:CCIが+100を超えても、上昇トレンドが継続するかどうかは別の要素で確認が必要。
CCIは単体でも活用できますが、他のインジケーターと組み合わせることで精度を向上させることができます。
CCIとRSIの両方が買われすぎ/売られすぎの状態で一致すると、より信頼性の高いシグナルとなる。
CCIが+100を超え、価格が移動平均線を上抜けた場合、より強い上昇トレンドのシグナルとなる。
CCI (Commodity Channel Index)
CCIは価格が過大に買われたり、売られたりする場合を判断するための有力なツールです。特にRSIなどの他のインジケーターと組み合わせることで、より確実なトレード判断が可能となります。
ただし、CCIはダマシが発生しやすいため、単体での使用は避け、他のインジケーターと組み合わせることで精度を向上させることが重要です。市場環境に応じて適切に活用し、より効果的なトレード戦略を構築しましょう。
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チャート分析の第一人者としてセミナーで講師を務めるなど、教育活動を精力的に展開している人気講師。
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