FXのMACD・EMAについてわかりやすく解説!見方・計算式・ゴールデンクロスとは?

第4回

FXのMACD・EMAについてわかりやすく解説!見方・計算式・ゴールデンクロスとは?

口座開設を検討する人

まずは、
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FXにはさまざまなテクニカル指標が存在しますが、そのなかでも移動平均線は非常に人気のある指標です 。そして、移動平均線から派生したテクニカル指標の一種に、MACDとEMAがあります。これらは優秀なテクニカル指標として世界中で活用されていますが、意味や使い方を正確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、MACDとEMAに関する基礎知識や使い方について詳しく解説します。これらのテクニカル指標を使いこなすためのポイントなどについても紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

MACD分析

MACD分析のチャート

※棒グラフがMACD、折れ線がシグナル
※MACDは折れ線グラフで描かれることもよくあります。

1、MACDとは?

MACDは移動平均線を改良してできあがったテクニカル指標です。MACDの正式名称はMoving Average Convergence/Divergence Trading Method。移動平均線収束拡散法などと訳されますが、私は「移動平均線くっついたり離れたり分析」と呼ぶ人もいます 。2本の移動平均線がくっついていったり、離れていったりする様子を見てトレンドの分析を行います。

アメリカの投資顧問会社、シグナラート・コーポレーション社のジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏によって1970年代に開発された分析手法で、シグナラート・コーポレーションはこの手法で大成功を遂げました。また ベストセラーとなって続編、続々編まで出た投資書籍「投資苑」の著者アレキサンダー・エルダー博士がMACDを用いて大成功を収めていることも有名です。

2、MACDの計算式

MACD(マックディ線)=12日EMA-26日EMA

シグナル=MACDの9日EMA

MACDというテクニカル指標はMACDとシグナルという2つの線でできています。2つの線は混同するため、以後、指標の方はMACD、線の方はマックディ線と呼ぶことにします。

12日・26日・9日という3つのEMAの数値は変更可能なパラメーターですが、上級者を除いては、このパラメーターをそのまま使う人がほとんどです。

EMAというのは指数平滑移動平均線のこと。指数平滑移動平均線の計算の仕方は次のとおりです。

n日EMA=(EMAy×(n-1)+P×2)÷(n+1)

※nはパラメーター、移動平均線の何日移動に当たる部分。

※EMAyは昨日のEMA、Pは本日の価格(終値)

MACDは非常にシンプルでわかりやすいテクニカル指標ですが、EMAを採用しているということで、計算式を理解しなくてもFXを運用できるようになりました 。総じて日本人はEMAが苦手で普及していません。海外ではSMA(Simple Moving Average=単純移動平均線)よりもEMA(Exponential Moving Average=指数平滑移動平均線)の方がメジャーになりつつあります。

それはEMAがSMAの欠点を改良してできあがったものだからです。是非、EMAを使えるようになってください。

3.FXにおけるEMAとは

FXにおけるEMA(Exponential Moving Average)とは、先述のとおり指数平滑移動平均線とも呼ばれ、一定期間における値動きの平均値を知ることができるテクニカル指標です。EMAは、一般的な移動平均線よりも直近の価格変動に強く反応するため、トレンドの変化をいち早く察知できるという特徴があります。
また、EMAを使用する際には異なる期間の移動平均線を2〜3本組み合わせて相場を分析するのが一般的です。移動平均線1本でも分析は可能ですが、複数本使うことでより信頼性の高い判断ができるようになります。

4.EMAの計算式

EMAは、以下のとおり1日目と2日目以降で計算式が異なります。1日目は、単純移動平均線と同じ計算式です。また、2日目以降は前日の値に当日の値を足すことで計算します。

1日目:対象期間における終値の平均(単純移動平均線)

2日目以降:前日の指数平滑平均+k×(当日終値-前日の指数平滑平均)

※k(平滑化定数)=2÷(n+1)

※n=期間

5.FXのEMAとSMAの違い

SMA(Simple Moving Average)とは、日本語で単純移動平均線と呼ばれ、指定した期間にあった価格変動の平均値を表すテクニカル指標です。SMAは期間内のどこかに比重を置いた指標ではないため、トレンドの変化をいち早く察知することが難しいという問題がありました。そこで開発されたのが、直近の値動きに強く反応するEMAです。EMAは直近の価格に重点を置くため、より早くトレンドの変化に反応します。
しかし、EMAはトレンド転換に素早く反応できますが、ダマシが発生しやすいというリスクがあります。一方、SMAはトレンド転換を察知する精度はEMAに劣りますが、長期的なトレンドで安定して利用できるというメリットがあるのです。
EMAとSMA の詳細な比較については後述しますが、どちらの指標が劣っているというわけではなく、自分のトレードスタイルや分析する期間によって使い分けることが重要といえるでしょう。

6、EMA研究

EMAはSMA(通常の移動平均線)をどう改良したのでしょうか?
EMAの特徴は直近のデータにより比重をおいて平均したもの、そして過去のデータの比重を少しずつ減らしていきますが、切り捨てるものはないということです。

通常の10日移動平均線であれば、10日間の終値で平均値を出し、それより前の価格は使いません。EMAであれば少しずつ比重を少なくしながら10日以上前の価格も使います。

カバのイラスト

EMAを使えたほうが、いいね!

調子に乗るのはまだ早いよ。。。
フルカバーくん

ライオンのイラスト

EMAとSMAの移動平均線のチャート

上記チャートをご覧ください。EMAとSMAの移動平均線を描いていますが、2本の線の底と天井を見比べてみると、EMAの方が早く出現していることがことがわかります。これにより売買サインが一歩早く出ることにつながります。

【EMAが改良した点】

①SMAのシグナルの出が遅いという欠点を改良
②直近のデータに重きを置くことにより、市場に残っている注文の平均値に近づく。
③ある期間より前のデータを使わないということで起こるダマシを無くした。

①については先ほどの図で説明したとおりです。
②の意味は、たとえば100日移動平均というのは100日間の終値で平均をとりますが、100日前に買った人はもう決済をして、市場にはほとんど残っていないかもしれません。ところが昨日買った人はほとんど残っています。ということで現在市場に残っているもの(未決済注文)の平均価格を求めようとすると、過去になるほど比重を下げて平均値を出すというのが実は正しいのです。

③に関しては次の質問で説明しましょう。
昨日までの移動平均線の値が1,000円で、本日の終値が1,100円だったとします。本日の移動平均線は上昇するでしょうか、下降するでしょうか?

昨日までの平均値が1,000円の場合、上昇しそうな気がしますが実際には上昇することもあれば下降することもあります。

移動平均線はある一定期間の平均値。そして、昨日から今日の変化は、一番過去の価格が消えて、代わりに最新(本日)の価格が足されて、新たに平均値が計算されるということです。つまり平均値が上がるか下がるかは、消えていく価格と新たに加わる本日の価格を比較してどちらが高いか低いかで決まります。昨日までの平均値が1,000円だったとしても、消えていく価格が1,200円だったとしたら、本日の価格が平均値より高い1,100円だったとしても下がってしまいます。

そのため移動平均線が上昇するか上昇しないかは、本日の価格が高いか低いかだけでなく、消えていく価格が高いか低いかに影響されるのです。そこにダマシが生まれる可能性があります。本日の価格が高くないのに、移動平均線が突然上昇するということがあります。消えていく価格が異常に低かった場合などに起こります。

しかし、EMAは上記のような問題が起こらないように作られています。つまり昨日のEMAの値より本日の価格が高い場合は本日のEMAは必ず上昇し、本日の価格が低い場合は本日のEMAは必ず下降します。

このように、さまざまな改良点があるのでプロはSMAよりEMAを使う人が多いのです。そのため、最新のテクニカル指標にはほとんどEMAが採用されています。例えば、移動平均線を12本使うGMMAチャートなどが近年開発されましたが、やはりEMAを使っています。

7、FXにおけるEMAの活用方法

FXにおいて、EMAは主に以下のような活用方法があります。

■ゴールデンクロスとデッドクロスで利益を狙う
■レジスタンスラインとして活用
■サポートラインとして活用
■グランビルの法則とEMAを組み合わせる
■パーフェクトオーダー

活用方法の一例としてそれぞれ解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

ゴールデンクロスとデッドクロスで利益を狙う

EMAは、一般的にトレンドの強さや方向性を確認するために利用します。しかし、EMAを活用すれば売買のタイミングも判断することが可能です。
短期のEMAが長期のEMAの下から上に抜けることをゴールデンクロスと呼び、これは価格上昇のサインとなるため買いのタイミングとなります。一方、短期のEMAが長期のEMAの上から下に抜けるデッドクロスは、価格下落の可能性を示しているため売りサインとなるのです。
ゴールデンクロスとデッドクロスは売買の重要なポイントとなるため、目安としてしっかりチェックしておきましょう。

レジスタンスラインとして活用

レジスタンスラインとは、価格がこれ以上上昇しない と考えられる基準線のことで、上値抵抗線とも呼ばれます。レジスタンスラインは、複数のローソク足の高値を結ぶことで形成され、価格がこのラインに近づくと反発する可能性が高まるため注意が必要です。EMAがレジスタンスラインとして機能することで、利益を狙いやすくなります。

サポートラインとして活用

サポートラインとは、価格がこれ以上下がらないだろうとされる下値支持線のことです。レジスタンスラインとは逆で、ローソク足の安値を結んで形成され、価格がこのラインに接近すると反発の可能性があります。
EMAの指標はサポートラインとしても活用することができ、EMAのサポートラインを押し目とすることで利益を狙うことができます。ただし、価格がEMAのサポートライン・レジスタンスラインに近づいたとしても、必ず反発するわけではありません。他のテクニカル指標も併用し、慎重に判断することが重要です。

グランビルの法則とEMAを組み合わせる

グランビルの法則とは、移動平均線の傾きや価格との乖離などによって売買のタイミングを判断する理論のことです。グランビルの法則では、買いシグナルと売りシグナルが4つずつ、計8パターンの法則があるとされ、EMAと組み合わせることでトレードの精度を上げることができます。
例えば、移動平均線が横ばいの状態で価格が上昇し、EMAでもゴールデンクロスが発生した場合は買いエントリーを行います。その後、デッドクロスが発生した段階で決済をすることで、利益を狙うことが可能です。
ゴールデンクロスやデッドクロスを活用したトレード手法と似ていますが、グランビルの法則を利用することでEMAのラインが1本の場合でも売買のタイミングを判断することができます。

パーフェクトオーダー

パーフェクトオーダーとは、トレンドの方向や強さを判断するためのテクニカル指標です。チャートに3本のEMA(短期・中期・長期)を表示し、これらが並ぶ順序によってトレンドを判断します。
例えば、EMAが上から順に短期・中期・長期と並んでいる場合は、強い上昇トレンドを示します。一方、EMAが上から長期・中期・短期の順に並んだ場合は、下落トレンドが続くサインです。このように、3本のEMAを表示させることでトレンドの性質を判断することができるため、誰もが一目で分析できる指標となっています。
ただし、EMAは直近の値動きに強く反応するため、ダマシが発生するリスクも伴います。FXでEMAを活用する際は、リスクヘッジを怠らないことが重要といえるでしょう。

8、マックディ線の計算式の意味

マックディ線=12日EMA-26日EMA

EMAがわかれば簡単ですね。マックディ線は2本の移動平均線の差(間隔)を見ている指標なのです。
※以後、わかりやすく理解していいただくために「移動平均線」と書きますが、MACDでは全て「指数平滑移動平均線」と思ってください。

2本の移動平均線の間隔を見て何がわかるか?それはまず、ゴールデンクロス、デッドクロスが先読みできるのです。短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上にクロスするのがゴールデンクロス、移動平均線の代表的買いサインでしたね。短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下にクロスするのがデッドクロス、移動平均線の代表的売りサインです。

【移動平均線の代表的売買サイン】

買いサイン・・・ゴールデンクロス=短期線が長期線を下から上へクロス
売りサイン・・・デッドクロス=短期線が長期線を上から下へクロス

2本の移動平均線がクロスするとしたら、2本の線が次第に接近していきます。接近した先にゴールデンクロス・デッドクロスがあるわけです。すると2本の線の間隔を見ていればゴールデンクロス・デッドクロスが先読みできるわけです。トレードにおいてワンテンポ早く仕掛けられるかどうかは ときに成功失敗を大きく左右します。

9、マックディ線はどこを見ているのか?

デッドクロスとマックディ線のチャート

上記図をしっかりと見てください。上記図は価格が上昇し、やがて上昇が緩やかになり天井打ちし、その後下げ出す。やがて下降が緩やかになり底打ちするという典型的パターンの価格変動を作り、そのときに12日移動平均線・26日移動平均線、そしてマックディ線がどう動くかを検証してみたものです。

まず、注目してほしいのはマックディ線がゼロになっている箇所です。マックディ線がプラスから下降してゼロになるのは2本の移動平均線がデッドクロスすることを表し、マイナスから上昇してゼロになるのは2本の移動平均線がゴールデンクロスすることを表します。ここまではわかりますね?マックディ線は2本の移動平均線の間隔を表しているのですから、間隔がゼロということはクロスしているところというわけです。

ということはマックディ線がプラス位置からゼロに向かって下降しているところを見れば、やがてデッドクロスするということがわかりますし、マイナス位置からゼロに向かって上昇しているところを見れば、やがてゴールデンクロスするということがわかります。

それだけではありません。上記図で価格の天井とマックディ線の天井、価格の底とマックディ線の底を比較してください。マックディ線の天井打ち、底打ちは、価格の天井打ち、底打ちに先行することがわかります。
ここにMACDの極意があります。マックディ線の上昇は価格の上昇に先行する。マックディ線の下降は価格の下降に先行する。この性質を理解すればMACDの有効性が理解していただけるはずです。

【マックディ線の意味】

■マックディ線の上昇
・マイナスからゼロに向けた上昇は、その後2本の移動平均線がゴールデンクロスすることを示し、価格の上昇トレンド発生を予兆します。
・ゼロからプラスに向けた上昇は、発生した上昇トレンドがどんどん成長していることを示します。
■マックディ線の下降
・プラスからゼロに向けた下降は、その後2本の移動平均線がデッドクロスすることを示し、価格の下降トレンド発生を予兆します。
・ゼロからマイナスに向けた下降は、発生した下降トレンドがどんどん成長していることを示します。
■以上からわかること
・マックディ線の上昇・下降は、価格の上昇・下降に先行する性質を持つ。

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仲間より
半歩先ゆく
マックディー(河馬)

フルカバーくん、川柳の嗜みがあるとは

ライオンのイラスト

10、シグナルの計算式

シグナルの計算式は簡単です。

シグナル=マックディ線の9日移動平均線

移動平均線と書きましたが、MACDで使うのは全てEMA(指数平滑移動平均線)です。シグナルは単にマックディ線に移動平均線をつけただけのようなものと言われています。わざわざシグナルなどという名前をつけているため、何か特別な線のような気がしますが、なんの特別なことのない移動平均線なのです。

マックディ線は2本の移動平均線の間隔、シグナルはその移動平均線とすると、MACDは実にシンプルな指標だということがわかります。この簡単な計算式からできあがっている指標をEMAが苦手なために意味をわからずに使うというのは残念です。ぜひ、この機会にEMAを自分のものにしてください。

11、シグナルは何のために存在するか?

マックディ線の動きが価格の動きに先行する性質を持っていることを説明しました。それなら、マックディ線に上昇トレンドが発生したこと、下降トレンドが発生したことを知ることがとても大事になってきます。上昇トレンド発生、下降トレンド発生を教えてくれる簡単なテクニカル指標があることを、皆さんはこの講座で既に勉強したはずです。

それは「移動平均線」です。価格(ローソク足)に移動平均線を付けることにより、ゴールデンクロス、デッドクロスが発生します。ゴールデンクロスとは上昇トレンド発生のサインで、デッドクロスとは下降トレンド発生のサインです。

ということは、マックディ線に移動平均線をつけることにより、マックディ線とのゴールデンクロス・デッドクロスを見つければ、それがマックディ線に上昇トレンドが発生したシグナル、下降トレンドが発生したシグナルとなります。「シグナル」という名前はマックディ線のトレンド発生の「シグナル」を教えてくれる線という意味になります。

12、MACDの売買サイン

マックディ線の意味、シグナルの意味を知れば自ずとわかってきますが、MACDの売買サインはマックディ線とシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスです。

【MACDの売買サイン】

買いサイン・・・ゴールデンクロス=シグナルをマックディ線が下から上へクロス。
売りサイン・・・デッドクロス=シグナルをマックディ線が上から下へクロス。

カバのイラスト

ゴールデンクロスがいいよぉーー。。。

おねだりしてもだめだよ

ライオンのイラスト

MACDの売買サインのチャート

13、売買サインの意味

先述ではマックディ線のトレンドが価格変動のトレンドに先行する性質があることは解説しました。そのため、マックディ線のトレンドを知ることが重要になってきます。シグナルという名の移動平均線をつけることにより、2つの線がゴールデンクロスすれば、マックディ線に上昇トレンドが発生していることがわかり、デッドクロスすれば下降トレンドが発生していることがわかるという理屈です。

MACD使いの達人になるためには、答えとしてのマックディ線とシグナルのクロスをサインとして覚えるのではなく、あくまでマックディ線がどこで底を打ち上昇に転じるか?どこで天井を打ち下降に転じるか?を理解することが大切です。

14、Moving Average of Oscillator

通常、MACDの中に含まれて「ヒストグラム」とか「フォレスト」とか言う名前がついていますが、MT4では「Moving Average of Oscillator(以下OsMA)」と名前がついて別の指標のように取り扱われています。

1986年に トーマス・アスプレイ氏(Thomas Aspray) によってMACDを強化するために開発された指標で、 両方ワンセットで使われるのが基本です。

15、OsMAの計算式とその意味

OsMA=マックディ線-シグナル

この計算式を見ると、MACDと考え方が全く同じということが分かります。OsMAはマックディ線とシグナルの差(間隔)を見る指標で、何のために間隔を見るかというと、マックディ線とシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスが買いサイン・売りサインなら、その二線の間隔の変化を見れば、これからゴールデンクロスしそうだとか、デッドクロスしそうだとかいうことが事前に分かります。

カバのライオンのイラスト

OsMAとマックディ線とシグナルの間隔を表している図

上記図を見ると、OsMAの縦棒の長さがマックディ線とシグナルの間隔を表しているのがよく分かります。すると、OsMAがゼロラインに来ているところがマックディ線とシグナルがゴールデンクロス・デッドクロスしている位置だということが分かり、OsMAがマイナスからゼロラインに向けて上昇していけば、やがてゴールデンクロスになり、プラスラインからゼロラインに向けて下降していけば、やがてデッドクロスになるということがわかります。

これによりヒストグラムの上昇トレンド・下降トレンドは、マックディ線の上昇トレンド・下降トレンドに先行するという性質がわかります。

16、OsMAの売買サインとその意味

OsMAが底を打って上昇を始める=買いサイン
OsMAが天井を打って下降を始める=売りサイン

なぜ、それが買いサイン・売りサインかはわかりますね?OsMAが上昇を始めた後にマックディ線が上昇を始め、その後、価格が上昇を始めるという順番だからです。

17、MACDとOsMAの関係

価格の動きとマックディ線の動き、OsMAの動きを比較した図

上記図は価格の動きとマックディ線の動き、OsMAの動きを比較したものです。価格の動きにマックディ線が先行し、OsMAがさらに先行する様子がわかります。OsMAはあまりに先行性があるため、これを売買シグナルとするにはダマシが多すぎます。しかし、トレンド変化の第1予兆として、試合開始のゴングを教えてくれるものとしては非常に有効です。

18、小次郎講師流MACD、5本の線で分析する!

MACDを使いこなすためには5つの線で分析することをおすすめします。5つの線とは、12日EMA、26日EMA、マックディ線、シグナル、OsMAの5つです。

MACD総合分析の図

一番上のチャートに丸印が付いているのは12日EMAと26日EMAのゴールデンクロス、デッドクロスです。真ん中のチャートの丸印はマックディ線とシグナルのゴールデンクロスとデッドクロスです。一番下のチャートの丸印はOsMAの底打ちと天井打ちです。

売買サインが出る順番をよく見比べてみましょう。

12日EMAと26日EMAのクロス、やや遅いサイン
マックディ線とシグナルのクロス、ちょうどいいタイミングのサイン
OsMAの天井打ち底打ち、早すぎるサイン

つまりOsMAのサインでトレンド転換の予兆を感じ取り、マックディ線とシグナルのクロスで実際に仕掛けます。その後12日EMAと26日EMAが見事にクロスしたら、仕掛けたタイミングが合っていた(=新たなトレンドがスタートした)という裏付けになります。

このように、段階的に売買サインを出してくれるテクニカル指標では、ワンテンポ早く仕掛けたり、ワンテンポ早く撤退したりすることが非常に有効です。そして、そのワンテンポの差が成功失敗を大きく分けるのです。そういった意味で、MACDは非常に有効なテクニカル指標といえるでしょう。

19、MACDやEMAを使いこなしてトレードの精度を上げよう

今回は、非常に有効なテクニカル指標であるMACDとEMAの基礎知識や使い方にくわえて、さまざまな活用方法などについて解説しました。これらのテクニカル指標について詳しく知らなかった方も、意味や具体的な使い方について理解できたのではないでしょうか。MACDやEMAは単体でも使うことができますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ぜひ本記事を参考にしながら、状況に応じて他のテクニカル指標も併用し、トレードの精度を上げていきましょう。


当コンテンツは為替相場等に関連する一般的な情報の提供を目的としたコラムです。特定の投資方法等を推奨するものではなく、また投資の勧誘を目的とするものでもありません。
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小次郎講師直伝「チャートの極意」

小次郎講師(手塚宏二)

小次郎講師(手塚宏二)

チャート分析の第一人者としてセミナーで講師を務めるなど、教育活動を精力的に展開している人気講師。

資格等

日本テクニカルアナリスト協会
認定テクニカルアナリスト

書籍

 『小次郎講師流 目標利益を安定的に狙い澄まして獲る 真・トレーダーズバイブル―Vトレーダーになるためのツール作り』
 『移動平均線 究極の読み方・使い方』
 『小次郎講師流テクニカル大全』

小次郎講師(手塚宏二)について🔗

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