ピボット(PIVOT)とは?意味・分析・使い方について

第14回

ピボット(PIVOT)とは?意味・分析・使い方について

口座開設を検討する人

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口座開設を検討する人

ピボット(PIVOT)は、FXで活用されているテクニカル指標のひとつです。ピボットを活用することによって、エントリーポイントやトレンドの発生などを把握することができますが、実際にどう使えばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。ピボットを上手く使いこなせるようになれば、FXで利益を狙いやすくなります。
本記事では、FXにおけるピボットの基礎知識や分析方法、使い方などについて詳しく解説します。FXでピボットを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

PIVOT分析

PIVOT分析の図

1、FXのピボット(PIVOT)とは

ピボット(PIVOT)はこれまたJ・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア氏が開発したテクニカル指標で短期トレードで使われる指標です。正式名称をThe Reaction Trend Systemと言い、Reaction Trendとはもみあい相場のことを言います。基本は短期トレードの逆張りに使い、それでいてトレンドの発生も見抜くことが出来る優れものです。

ちなみにピボット(PIVOT)とは回転軸のこと。何故、リアクショントレンドシステムがピボットと呼ばれるようになったかはこれからの説明を読めばわかるはずです

ピボット(PIVOT)が世界中で活用されている理由

ピボットは、世界中でプロのトレーダーや機関投資家が利用しているテクニカル指標です。しかし、日本ではあまりなじみがないと思う方もいるのではないでしょうか。
ピボットを世界中のトレーダーが活用している理由は、パラメーターの設定がないためです。パラメーターの設定がある場合、人によって相場の解釈が異なるため、トレードのスキルで差が出る場合があるのです。
一方、ピボットはパラメーターの設定がないため、人によって解釈が異なるという問題は発生しません。初心者からプロまで同じように使えることが、ピボットが世界中で活用されている理由のひとつといえるでしょう。

2、ピボット(PIVOT)の計算式

①まず前日の高値をH、安値をL、終値をCとします。
PIVOT=(H+L+C)÷3 以下Pと表記
D1=H-P
D2=P-L
D3=H-L
S1=P-D2
S2=P-D3
S3=S1―D3
R1=P+D2
R2=P+D3
R3=R1+D3

昨日の価格、本日のPIVOTの図

ここではわかりやすくピボット(PIVOT)から高値Hまでの距離をD1、ピボット(PIVOT)から安値Lまでの距離をD2、高値から安値までの距離をD3とし、3つのサポートラインをS1、S2、S3と名付け、3つのレジスタンスラインをR1、R2、R3と名付けました。

ワイルダーの著書では
S1=B1、S2=B2、S3=LBOP、R1=S1、R2=S2、R3=HBOPと名付けられています。
B1、B2、S1、S2とは買い(Buy)の1回目のチャンス、2回目のチャンス、売り(Sell)の1回目のチャンス、2回目のチャンスという意味でしょう。
そしてLBOPとはLow Breakout Pointの略で下降へブレイクしたポイントを示し、HBOPとはHigh Breakout Pointの略で上方へブレイクしたポイントを示します。

カバのイラスト

3、FXでピボット(PIVOT)を導入する方法

残念ながらMT4の標準のインジケーターにはPIVOTがありません。しかし、MT4の素晴らしいところは標準で用意されていなくてもネットの中で探して、それを自分のMT4に入れることが出来ることです。

まず、MT4用PIVOTというワードで検索してみましょう。ダウンロード出来るサイトがいくつも見つかるはずです。

そのインジケーターをMT4に入れる方法は上記メニューの「ファイル」から「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「indicators」という順番でフォルダを開き、そのindicatorsフォルダにダウンロードしたPIVOTインジケーターを入れるだけです。

入れた後はそのインジケーターをMT4に認識させるためにMT4を再起動します。再起動の後、上記メニューの「挿入」から「挿入」→「インジケーター」→「カスタム」と進んでいくと、そのカスタムの中にPIVOTと言う名前が出てきます。そのPIVOTをクリックすると、表示しているチャートにピボット(PIVOT)が描かれます。

但し、ピボット(PIVOT)は短期売買のインジケーターがですので、日足より短い足、つまり4時間足、1時間足、30分足、15分足、5分足、1分足、などに表示されますが、日足以上の足には表示されません。通常15分足あたりで見るときれいに表示されます。

4、ピボット(PIVOT)の計算式の意味

ピボット(PIVOT)は前日の価格を元に本日の抵抗線・支持線を算出しようと言うものです。まず、PIVOTというのは前日の中心価格です。
日本で言えば4本値(始値・終値・高値・安値)の平均値が中心価格となるところですが、海外は近年まで3本値(終値・高値・安値)が中心でした。ですから、その平均値が中心価格となります。

その中心価格を元に価格が上昇したときの最初の抵抗線をR1で示し、価格が下落したときの最初の支持線をS1で示しました。

昨日の価格と本日のR1S1の図

R1、S1をどう求めたかは、中心値段から上がっている分だけ中心値段から下がったところに位置するのが、S1、中心値段から下がった分だけ中心値段から上がったところに位置するのがS1です。価格がもみあい状態のときに一番抵抗(あるいは支持)を受けやすい場所です。

続いてR2、S2が2番目に価格に影響を与える抵抗線、支持線です。

昨日の価格と本日のR2S2の図

R2・S2は上図を見ていただければわかるとおり、中心値であるPIVOTから昨日の最大値動き(高値-安値)分離れたところに位置します。つまり、ここまでがレンジ相場として想定出来るところであり、そこを超えるとレンジとは捉えづらいところです。

続いてR3、S3はトレンド発生を決定づけるラインです。

昨日の価格と本日のR3S3の図

R3は最初の抵抗ラインであるR1から昨日の最大値動き分上に離れた位置です。またS3は最初の支持ラインであるS1から昨日の最大値動き分下に離れた位置です。ここを超えてしまえば、上昇トレンド発生、下降トレンド発生と見るしかないという位置となります。

5、ピボット(PIVOT)の使い方

レンジ相場のときに一番多いのはR1が抵抗ラインになり、S1が支持ラインになるという動きです。しかし、必ずそこで反転するとは限りませんので、R1近辺で反転し出したら売る、S1近辺で反転し出したら買うという基本姿勢が大事です。

R1を価格が超えたときR2でまた抵抗を受けます。そのときも下げを確認してから仕掛けるようにしましょう。S2の位置も同様です。R2・S2での反転は一時的な押し目・戻しという可能性もありますので注意が必要です。

R2を超えたとき、次の抵抗はR3となりますが、もうここまで来るとトレンド発生の可能性が高まりますので、R3近辺で反転しても即、売りを仕掛けるというのはよくありません。もし、価格がR3を突破したとしたら、まずは、それまで売りを持っていたとしたらすぐに手じまいをしなければいけません。また、そこからは順張りの仕掛けを検討します。
S3を突破したときも同様です。

PIVOTはディトレード、スイングトレード等で使われることが多く、週足、月足で使うことはありません。

米ドル円15分足の図

6、FXにおけるピボット(PIVOT)とフィボナッチの違い

ピボットに関するよくある疑問として、フィボナッチとの違いがあります。フィボナッチは、フィボナッチ数列による黄金比率を相場に当てはめて分析する手法です。一方、ピボットは前日の高値・安値・終値をもとに相場を分析します。
つまり、ピボットとフィボナッチは計算のベースとなる要素が異なるのです。両者とも、順張りへの切り替えやトレンド発生の目安として利用できますが、根本的に異なる指標であることを理解しておきましょう。

7、FXでピボット(PIVOT)を活用する際の注意点

FXでピボットを活用したい場合、以下の注意点があります。

◆中長期のトレードには向いていない
◆ピボットだけでトレードを行うのは困難
◆トレンド相場には適していない
◆MT4やMT5のユーザーはダウンロードが必要


それぞれ解説しますので、ピボットを使ってトレードをしたい方は必ず確認しておきましょう。

中長期のトレードには向いていない

ピボットは、前日の高値・安値・終値をもとに分析するテクニカル指標なため、同じ値を使うことができるのは当日のみです。そのため、翌日になると同じ値を使うことはできず、中長期のトレードには向いていません。ピボットは、デイトレードやスキャルピングなど、短期トレードに適した指標といえるでしょう。

ピボットだけでトレードを行うのは困難

先述のとおり、ピボットは前日の値動きをもとに計算するため、中長期トレードにはあまり向いていません。しかし、FXでは長期トレンドも想定してトレードすることが重要です。分析の精度を上げるために、ピボットだけでなく長期トレンドの分析に適したテクニカル指標も併用することをおすすめします。

トレンド相場には適していない

ピボットは反発するポイントがわかりやすいため、レンジ相場で活用されることが多い指標です。一方、トレンド相場でピボットを使った場合、だましが多くなる可能性があります。強いトレンドが発生している場合は機能しないことがあるため、ピボットは主にレンジ相場で活用するようにしましょう。

MT4やMT5のユーザーはダウンロードが必要

MT4やMT5を利用している場合、ピボットは標準のインジケーターに搭載されていません。インターネットでピボットのインジケーターを検索して、MT4やMT5にダウンロードする必要があるため注意しましょう。

8、FXでピボット(PIVOT)と併用したいテクニカル指標

FXでピボットを使う場合、相性の良いテクニカル指標を併用することで精度を高めることが可能です。ここでは、以下のテクニカル指標との併用をおすすめします。

◆ピボット×RSI
◆ピボット×移動平均線
◆ピボット×ボリンジャーバンド
◆ピボット×MACD


それぞれの活用方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ピボット×RSI

RSI(Relative Strength Index)とは、オシレーター系のテクニカル指標の一種であり、相場の過熱度を分析することができます。RSIの数値を確認することで、買われすぎ・売られすぎを確認することができるため、ピボットと同様にレンジ相場で使われることが多い指標です。
ピボットとRSIを併用すれば、レンジ相場で利益を狙えるチャンスを増やすことができるでしょう。

ピボット×移動平均線

移動平均線とは、一定期間における価格の平均値を折れ線グラフで表示するトレンド系のテクニカル指標です。移動平均線の動きをチェックすることで、トレンドの転換を予測することができます。
ピボット単体ではトレンドの分析が難しい状況も、移動平均線を併用することでカバーすることができるでしょう。

ピボット×ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、一定期間のボラティリティ(価格の変動率)を計算することで、価格変動範囲を統計的に確認できるトレンド系のテクニカル指標です。現在の価格が平均価格からどれくらい離れているのか確認できるため、トレンドの強さや方向性を分析する際に役立ちます。
ピボットのラインとボリンジャーバンドの位置が重なるポイントをチェックすることで、レンジ相場で反発を狙いやすくなるでしょう。

ピボット×MACD

MACD(マックディー)とは、移動平均線を改良して作られたオシレーター系のテクニカル指標です。短期・中長期の2つの移動平均線を利用することで、売買のタイミングを分析することができます。
ピボットとMACDを組み合わせることで、反発を狙ったトレード精度を高めることが可能です。また、MACDで使用する指数平滑移動平均線は反応が早いため、短期トレードでも併用しやすいといえるでしょう。

9、ピボット(PIVOT)を活用してFXで利益を狙おう

今回は、FXにおけるピボットの基礎知識や使い方にくわえて、ピボットを活用する際の注意点や相性の良いテクニカル指標などについて解説しました。ピボットは短期トレードの逆張りや、トレンド発生の目安として活用することができます。ただし、トレンド相場ではだましが発生する場合があるため、他のテクニカル指標も併用することが重要です。ぜひ本記事を参考にしながら、FXでピボットを活用してみてください。

当コンテンツは為替相場等に関連する一般的な情報の提供を目的としたコラムです。特定の投資方法等を推奨するものではなく、また投資の勧誘を目的とするものでもありません。
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小次郎講師直伝「チャートの極意」

小次郎講師(手塚宏二)

小次郎講師(手塚宏二)

チャート分析の第一人者としてセミナーで講師を務めるなど、教育活動を精力的に展開している人気講師。

資格等

日本テクニカルアナリスト協会
認定テクニカルアナリスト

書籍

 『小次郎講師流 目標利益を安定的に狙い澄まして獲る 真・トレーダーズバイブル―Vトレーダーになるためのツール作り』
 『移動平均線 究極の読み方・使い方』
 『小次郎講師流テクニカル大全』

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