「誰にでもわかるチャート教室」 今後のトルコリラ円相場

2023年5月17日

今回取り上げる通貨ペアはトルコリラ円です。トルコでは14日に大統領選が予定されており、現職のエルドアン大統領と野党の統一候補、クルチダルオール氏が28日に行われる予定の決選投票に出馬することとなりました。この決選投票は為替市場にも大きな影響を与えることが見込まれるため、事前にチャートを用いてトルコリラ円の状況を把握しておくことが重要です。

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トルコリラ円の週足分析

以下のチャートはトルコリラと円の週足チャートを示しています。2021年にはエルドアン大統領が中央銀行の金融政策に介入したことで価格が大きく揺れ動き、市場の流れを予測するのが難しくなりました。しかし、2022年からは価格が一定の範囲を超えられずに下落する傾向が続いています。一方、チャート下部に追加された「MACD」は2022年以降上昇傾向にあり、MACDは短期EMAが長期EMAを上回る正の値を示しています。通常、これは買いのタイミングを示すのですが、相場が下落傾向にあることを考慮すると、ここには「ダイバージェンス」が存在するかもしれません。

一方、今回のチャート下部に追加した「MACD」は2022年以降、下値を切り上げる動き。足もとでもMACDは正の値(短期EMA>長期EMA)を示しています。本来であれば買いの局面なのでしょうが、上値を切り下げる相場状況を考慮すると「ダイバージェンス」が発生している可能性もありそうです。

トルコリラ円の日足分析

今度は日足チャートを参照してみましょう(下図のチャート)。2021年の価格の急激な変動が落ち着いた後、現在は2022年の4月の高値を始点に下降トレンド(青色の点線)が形成されています。一方、最低値は今年の始まりから6.70円近辺がサポート水準として機能しています。これから先、価格がこの2つのラインのどちらに向かって動くかが重要なポイントとなります。最高値については、前述の下降トレンドラインが重要ですが、先ずは今年の3月に記録した最近の高値(円で囲った部分)を超えるかどうかに注目します。ここを突破すると、市場の大きな変化の可能性が高まります。一方、最低値については、もし6.70円のサポートを大幅に下回った場合、2021年に記録した過去最低の6.17円まで価格が下落する可能性があります。

現在のところ、価格の変動幅は狭く、市場がどちらに振れるかを見極める段階です。市場の動きがはっきりした後にポジションを作り上げるのが無難といえるでしょう。

今後の展望は

最後に、今後1ヶ月間に注目すべきイベントについても確認しておきましょう。

最も重要なのは、28日に行われる予定のトルコ大統領選の決選投票です。近頃のトルコリラ円の価格動きは少し鈍っており、エネルギーが溜まっている状況にあります。この決選投票を契機に市場が大きく揺れる可能性があります。その日を前に、ポジション管理を徹底的に行うことをおすすめします。

さらに、その前週にはトルコの中央銀行による金融政策の公表も控えていますので、これも注視が必要です。その他の重要なイベントは以下の通りです。

今後1ヶ月の重要イベント

5月19日 日本 4月全国消費者物価(CPI)

5月25日 トルコ トルコ中央銀行、政策金利発表

5月28日 トルコ トルコ大統領選挙、決選投票

6月5日 トルコ 5月消費者物価指数(CPI)

6月15-16日 日本 日銀金融政策決定会合

記事提供: 株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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