政治がFXに影響を与えることは誰でも知っていることです。米国では上院と下院の多数派が違う、いわゆる「ねじれ」が発生すると債務上限問題も解決に苦労をし、その都度デフォルトリスクが表面化します。
市場はデフォルトになった場合には、その国の通貨が大
まず、南アフリカの状況を理解することが重要です。南アフリカとロシアとの関係には、反アパルトヘイト時代にソ連から援助を受けていたなど、長い歴史が存在します。また、中国に対しては鉄道インフラなどで依存している部分があります。トレードの観点から見ると、南アフリカは欧米との関係が非常に深いですが、
BRICS諸国という共通点から、ロシアと中国の両国とも良好な関係を維持しています。国連総会の緊急特別会合では、ロシアを非難する2つの決議案に対して「棄権」するなど、ロシアのウクライナへの侵攻に対しても、中立的な立場を維持しています。しかし、このような中立的な態度が今後は受け入れられない可能性が出てきています。その引き金となったのが、G7サミットの1週間前にブリゲティ米国大使が投稿したツイートです。
ブリゲティ大使は、「南アがロシアに武器と弾薬を提供している」とし、「武器と弾薬は昨年12月にケープタウンのサイモンズタウン海軍基地に停泊したロシアの船に積み込まれた」と発言しています。南アフリカは既に電力不足、インフレ、政治的な不安などでランドが弱まっていましたが、この発言の後、ドルに対するランドの価値は史上最安値を更新するほど落ち込みました。(その後、ブリゲティ大使が謝罪し、問題は一旦収束しました)
きく売られることでデフォルトは回避されるだろうとは思うものの、万が一にも備えざる終えません。
今年のG7サミットはどうだったか?
話を少し遡り、5月19-21日に広島で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)についてですが多くの主要通貨に関しては、サミットで動意づくことは無いだろうとの認識でした。
ウクライナのゼレンスキー大統領が来日するなど、注目度は高いままでしたがだからと言ってFXが動くとの予想は少なく、実際にサミット明けの市場は落ち着いた動きでした。しかし、水面下では、大動きする可能性がある通貨がありました。
その通貨は、何でしょうか?個人的には一番大きく動く可能性があった通貨は「南ア・ランド」だと思われます。
双方に対する好意的な態度を維持できなくなるのでしょうか?
前回までのG7サミットには、南アがアフリカ連合(AU)議長国だったこともあり、ラマポーザ南ア大統領が招待されていました。
しかし、議長国がコモロに変わったため、南アからは広島サミットには誰も出席していません。BRICS国の中で、関係が悪化している中国とロシアが出席をするわけがありませんがインドとブラジルは招待されていました。南アは蚊帳の外状態でした。では、それにもかかわらず、なぜ南ア・ランドが動く可能性が高かったのでしょうか?
対ロ・対欧米との関係は?
南アの置かれた状況をまずは把握する必要があります。南アとロシアとの関係は、反アパルトヘイト時にソ連から恩恵を受けるなど長い歴史があります。また、中国に対しても鉄道網のインフラなどを依存しています。
通商面では圧倒的に欧米との関係
まず、南アフリカの状況を理解することが重要です。南アフリカとロシアとの関係には、反アパルトヘイト時代にソ連から援助を受けていたなど、長い歴史が存在します。また、中国に対しては鉄道インフラなどで依存している部分があります。トレードの観点から見ると、南アフリカは欧米との関係が非常に深いですが、
BRICS諸国という共通点から、ロシアと中国の両国とも良好な関係を維持しています。国連総会の緊急特別会合では、ロシアを非難する2つの決議案に対して「棄権」するなど、ロシアのウクライナへの侵攻に対しても、中立的な立場を維持しています。しかし、このような中立的な態度が今後は受け入れられない可能性が出てきています。その引き金となったのが、G7サミットの1週間前にブリゲティ米国大使が投稿したツイートです。
ブリゲティ大使は、「南アがロシアに武器と弾薬を提供している」とし、「武器と弾薬は昨年12月にケープタウンのサイモンズタウン海軍基地に停泊したロシアの船に積み込まれた」と発言しています。南アフリカは既に電力不足、インフレ、政治的な不安などでランドが弱まっていましたが、この発言の後、ドルに対するランドの価値は史上最安値を更新するほど落ち込みました。(その後、ブリゲティ大使が謝罪し、問題は一旦収束しました)
が深いのにもかかわらず、BRICS国同士ということもあり、露中両国とも良い関係を保っています。国連総会緊急特別会合では、ロシアを非難する2つの決議の採決では「棄権」するなどロシアのウクライナに対する侵攻にも、どちらつかずの態度のままでいます。
しかしながら、このようにどちらにも良い顔をすることが今後は通じない可能性が出てきています。そのきっかけとなるのがG7サミットの1週間前に、ブリゲティ駐南ア米国大使によるツイートです。
ブリゲティ大使は「南アがロシアに武器と弾薬を提供している」「武器と弾薬は昨年12月にケープタウンのサイモンズタウン海軍基地に停泊したロシアの船に積み込まれた」と述べています。
ただでさえ南アは電力不足、インフレ高進、政治不安等でランドが弱含んでいましたが発言後には対ドルでは、史上最安値を更新するまでランド安が進みました。
(その後、ブリゲティ大使が謝罪したことで、いったんは問題は収まりました)
双方に対する好意的な態度を維持できなくなるのでしょうか?
この状況が展開する中で開催されたG7サミットにおいて、南アフリカが最も恐れていたのは「ロシアへの協力を行う国や企業への制裁」、つまり第三国制裁と呼ばれるものでした。17日に公表された1-3月期のロシアのGDP速報値は-1.9%で、市場予想の-2.1%や前期の-2.7%よりも減少幅が小さかったです。
対ロシア制裁の回避手段(第三国経由)が広範に存在しているため、制裁の効果が十分に現れていないのが現状です。幸いなことに、G7サミットでは具体的な第三国制裁の決定は避けられましたが、今後、BRICS諸国の中でG7諸国にとって影響力が最も少ない南アフリカに対して、G7諸国がインドやブラジルよりも先に、象徴的な制裁を課す可能性も考えられます。
これまで、南アフリカはどちらの勢力に対しても好意的な態度を維持していましたが、このような態度が通用しなくなる可能性も存在します。こういった状況から、参加していない国でも国際会議の影響でFXが動く可能性があることが分かり、FX取引を行う際には世界の政治状況を無視することは適切でないと考えられます。
