先週は日銀政策決定会合以外にも米国からは、12日に5月消費者物価指数(CPI)が発表され同日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が結果を公表したことで、市場は忙しい動きとなりました。
FOMC前に発表された5月米CPIはヘッドライン、コア指数ともに弱い結果に終わりました。その結果、ドル円は東京時間の157円台から155円後半まで下落しています。
その後に行われたFOMCには四半期に1度公表されるドットプロットに注目が集まりました(ドットプロットとはFOMCのメンバーによる金利予想で、これは今年の投票メンバーだけではなく参加している委員がそれぞれ予想をするものです)。
今回のドットプロットでは2024年末時点の中央値が4.6%から5.1%へ上方修正
年内の利下げ予想回数は前回3月の3回から1回に減りました。
また中立金利を2.6%から2.8%へと上方修正しています。
このこともあり、ドル円は再び156円後半まで回復してNYは引けました。
気がかりなのはパウエル発言
すでに、ここまでの流れはニュース等でご存じかと思いますが、私が気になったのはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容の1つです。それは、FOMCの公表前に弱いCPIが出たことで、この結果をドットプロットに加味したか否かです。
パウエル議長は、これについて「人々は変更を加えるべきかどうか検討することができた。そして、一部の人々は一般的に変更を加えるが、ほとんどの人々は一般的に変更を加えない」と発言しています。
原文では
we did have it(CPIの結果) this morning, we were briefed about it, and people were able to consider whether they should make changes, and as I said, some people generally do, but most people generally don’t.
となっています。
この件が話題になったのは昨年の12月のドットプロット発表直前にインフレ指標(卸売物価指数PPI)の発表を受けて、ドットプロットが市場予想よりも大幅に引き下げられたことです。市場は直前のデータを加えるとはあまり思っていなかったことがサプライズとなり「ほとんどの人々は一般的に変更を加えない」ではなくなったことで一部ではFOMCに対して批判する声も出ました。そして今回は、このような玉虫色の発言となっています。
もし今回のCPIの結果で変更を加えてのドットプロットの結果であれば、弱いインフレ指標でもインフレ予想が上昇修正となったということは、改めて米連邦準備理事会(FRB)がタカ派ということになります。
逆に12月の批判からの反省で、パウエル氏がいうように「ほとんどの人が変更を加えていない」のであれば、今回のドットプロットはすでに再び下方修正される可能性もあるとの憶測も増えてくるでしょう。
いずれにしろ、FOMCが終わったことで、今後のFRB要人の発言で5月CPIを加味したドットプロットだったのか否かを判断して取引しなくてはいけなくなりそうです。