ロスカットとは?計算方法などの基礎知識を初心者向けにわかりやすく徹底解説!

ロスカットとは?計算方法などの基礎知識を初心者向けにわかりやすく徹底解説!

FXでは、相場が予想と違う方向に変動することで、元本を超える損失が発生することがあります。そのようなケースにおいて、FX会社が設定したルールのもと実行される「ロスカット」という仕組みがあることをご存知でしょうか。ロスカットは、預けた資金以上の損失が発生しないよう投資家を保護することを目的としており、FXを始める際には必ず理解しておくべき仕組みです。そこで、この記事ではロスカットに関する基礎知識や計算方法、注意点などについて詳しく解説していきます。

ロスカットとは

ロスカットとは、FX取引において一定水準以上の損失が発生した場合に、保有ポジションを強制的に決済する仕組みのことを指します。損失が拡大して必要証拠金を割り込むような状況まで陥ってしまうと、自動的に取引が終了されるようになっています。強制的な取引の終了というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、ロスカットは損失が拡大しないように投資家を保護するための制度です。

FX取引は、預けた証拠金の何倍も大きな取引を行える点が魅力ですが、裏を返せば大きな損失を被る可能性もあります。しかし、ロスカットが行われることによって、原則として預けた証拠金以上の損失が発生することを防いでくれるのです。FX取引において、ロスカットは想定以上に資金が減らないようにするための「安全装置」だといえるでしょう。

ただし、何らかの要因によって急激な価格変動が生じた場合や、為替レートに大きな変動があった場合、ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失を被るケースもあります。詳細については後述しますが、ロスカットがあるからといって絶対に安心というわけではないことを覚えておきましょう。
※相場の急変や取引休場日をはさんだ際の急激な価格変動により自動ロスカットが執行されない場合があり、お預けになった証拠金を超える損失(元本超過損)が発生する可能性があります。

ロスカットの計算方法を解説

ロスカットは損失が拡大しないよう投資家を保護するための仕組みですが、できる限りロスカットが実行されるような状況は避けたいところです。そのためには、事前にロスカットが実行される条件や計算方法を知っておく必要があります。ここでは、ロスカットがどのような条件下で行われるのかを見ていきましょう。

ロスカットは「証拠金維持率を一定以上割り込むこと」によって実行されます。この証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合のことを指します。つまり、ポジションの保有を維持するために、最低限必要な金額の割合という意味です。なお、証拠金維持率は以下の計算式によって求めることができます。

■ 証拠金維持率=純資産÷必要証拠金×100

上記の計算式に実際の金額を当てはめてみましょう。
■ 100,000円(純資産)÷20,000円(必要証拠金) ×100=500(%)
■ 18,000円(純資産)÷20,000円(必要証拠金) ×100=90(%)

このように計算することで、証拠金維持率を確認することが可能です。また、証拠金維持率を一定以上割り込むことによってロスカットが実行されると記載しましたが、何%以下で実行されるのかという条件は各FX会社によって異なります。FX会社を選定する際は、ロスカットの発動条件についても事前に確認しておきましょう。

次に、証拠金維持率の計算方法がわかったところで、実際にロスカットの計算方法について解説していきます。例えば、1ドル=100円とした場合に以下の条件で取引を行ったとしましょう。

取引量:1,000通貨
必要証拠金:5,000円
ロスカットが実行される証拠金維持率:100%

この場合、「5,000円(必要証拠金)×100%(ロスカット実行)=5,000円」という計算になるため、必要証拠金が5,000円を下回ってしまうとロスカットが実行されるという仕組みです。このように計算することで、どれくらいの損失が発生するとロスカットが実行されるのかをシミュレーションすることができます。

ロスカットのルール(アヴァトレードの場合)

アヴァトレードでは「証拠金維持率が100%を下回った場合」にロスカットが実行されます。ここでは、実際にロスカットが実行されるまでの流れについて、具体例を用いて解説していきます。

① 取引口座に入金

【例】
まず、取引口座に10万円入金したとしましょう。この段階ではポジションを保有していないため、純資産額以外の項目は反映されていない状態です。

純資産額

100,000円

約定評価損益

0円

必要証拠金

0円

証拠金維持率

-%


② ポジションを保有

FXでは、約定後に決済する前の状態で保有していることを「ポジション(建玉)」といいます。また、外貨を購入して保有していることを「買いポジション」、外貨を売却して保有していることを「売りポジション」ということも覚えておきましょう。このポジション保有中は、為替レートの変動によって損益が発生します。

【例】
米ドル/日本円、0.2ロット(※)を110円で購入した場合、約定評価損益や必要証拠金が以下のとおり反映されたと仮定します。
※ 1ロット=10万通貨

純資産額

99,960円

約定評価損益

-40円

必要証拠金

88,000円

証拠金維持率

113.59%

③ 損失の拡大を防ぐため、ロスカット実行

【例】
ポジション保有後、米ドル/日本円の為替レートが1円下落したとします。これにより、2万円の損失が発生しました。その結果、ロスカットがない場合は純資産額が当初の10万円から8万円に減少しますが、ロスカットがある事で証拠金維持率が100%を下回った時点でロスカットが実行されますので純資産額が8万8千円時点(為替レートが60銭下落時点)でポジションが強制的に決済されます。

ロスカットがなかった場合は下記のように損失が拡大します。

純資産額

80,000円

約定評価損益

-20,000円

必要証拠金

88,000円

証拠金維持率

90.91%(実際のロスカット実行は維持率100%になったら実行されます。)

ロスカットがあった場合は下記のように損失を抑えます。

純資産額

88,000円

約定評価損益

-12,000円

必要証拠金

88,000円

証拠金維持率

100%


④ ロスカット実行後

【例】
ロスカット実行により保有ポジションがすべて決済され、ポジションを保有していない状態になります。取引口座にはロスカット実行時点での純資産額が残りますが、場合によっては不足金が発生することもあるので注意しましょう。

純資産額

88,000円

約定評価損益

0円

必要証拠金

0円

証拠金維持率

-%

相場の急変や取引休場日をはさんだ際の急激な価格変動により自動ロスカットが執行されない場合があり、お預けになった証拠金を超える損失(元本超過損)が発生する可能性があります。
また、ロスカットは維持率100%での約定を保証するものではございません。100%以下での約定となる場合がございます。100%以下での約定した場合はお預けになった証拠金を超える損失(元本超過損)が発生する可能性があります。

ロスカットで注意すべきポイントとは

ロスカットが間に合わないケースに注意

ロスカットは一定の証拠金維持率を下回った場合に、損失の拡大を防止することで投資家を保護するための仕組みです。しかし、ロスカットが間に合わないことで預けた資金以上の損失を被る可能性はゼロではありません。これは、ロスカットやほかの注文が殺到したことで処理が膨大になった場合、ロスカットの実行に時間を要するケースがあるからです。

また、急激な為替レートの変動が起こった場合にも、ロスカットが間に合わない可能性があります。「ロスカットがあるから証拠金以上の損失は発生しないだろう」という考え方はせず、証拠金以上の損失を被る場合もあることを把握しておきましょう。

窓を開けて始まった時は要注意

FXにおける「窓開け」とは、取引ができない土曜・日曜の間に何らかの要因で相場が大きく変動した場合に、週明けの月曜日に価格の乖離が発生することを指します。2020年3月の米ドル/日本円では、新型コロナウイルスの影響によって約100円(100pips)の窓開けが発生したことがありました。このように、窓開けによって大きな価格差が発生した場合、ロスカットが間に合わない可能性があるため注意が必要です。

あえてロスカットを避けたいときはある?

保有ポジションの一部を決済

ロスカットの可能性があるポジションを複数保有している場合、保有ポジションの一部を決済することでロスカットを回避するという方法があります。保有ポジションの一部決済によって必要証拠金が減少し、証拠金維持率を回復させることが可能です。

ただし、この方法は一時的な措置であり、相場が一方向に動くトレンドが発生している場合には、引き続きロスカットが実行されるリスクが存在します。さらに、含み損のあるポジションを保有し続けることによって資金が拘束され、チャンスが訪れた際に資金不足で取引できないといった事態に陥る可能性も考えられるでしょう。機会損失につながらないよう、場合によっては損切りも検討することが重要です。

保証金を追加入金

含み損の拡大に伴い、含み損を差し引いた有効証拠金の額も減少していきます。そこで、証拠金を新たに入金することによってロスカットのリスクを抑えることが可能です。しかし、前述した保有ポジションの一部決済と同様に、証拠金の追加入金も一時的な措置に過ぎません。仮に、追加入金後も相場のトレンドが続いたことでロスカットが実行された場合、追加入金した証拠金も失うことになります。

証拠金を追加入金する際には相場の状況をしっかりと確認し、慎重に検討することが重要です。

低レバレッジでの取引

FXには、預けた資金の何倍もの規模で取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあります。最大で25倍ものレバレッジをかけることができ、同じ証拠金でも大きな利益を狙える点がFXの魅力です。

しかし、大きな利益を狙える反面、その分損失が発生した場合のリスクも大きくなります。つまり、高いレバレッジで取引を行うほど、ロスカットのリスクも高まるということです。まだFXにあまり慣れていないという方は、まずは低レバレッジで取引していくことをおすすめします。

損切りの実施

ロスカットを回避する方法として「保有ポジションの一部決済」や「証拠金の追加入金」をご紹介しましたが、これらの方法はあくまで一時的な措置であり、場合によってはさらなる損失につながりかねません。

そこで、より確実にロスカットを回避したい場合には「損切り」を検討する必要があります。損切りとは、保有しているポジションを決済することで損失を確定させる行為です。これにより損失の発生は確定してしまいますが、万が一ロスカットが実行された場合と比較して損失を抑えることができます。FX取引を行う際は「何%の損失が発生したら損切りを行う」といったルールを自分で決めておくといいでしょう。

ちなみに、損失を最小限に抑えたいという方は「ストップロスのオーダーを入れておく」という対策もおすすめです。ストップロスとは、ロスカットが実行される水準に達する前に、自動的にポジションの決済を行うようオーダーを入れておくことを指します。ポジションを保有する際にストップロスのオーダーも併せて入れておくことで、想定外の損失を防ぐことが可能です。より堅実に取引を行いたいという方は、注文の際にストップロスのオーダーも入れておくことを忘れないようにしましょう。

ロスカットと損切りの違いとは

ロスカットと損切りは、ポジションを決済することで損失の拡大を防ぐという点では共通しています。しかし、両者には以下のように明確な違いがあります。

ロスカット

損切り

投資家を保護するため、

FX会社が強制的に決済を行う

損失を最小限に抑えるため、

投資家自らの意思で決済を行う

このように、両者には決済を行う主体に違いがあります。自らが意図した決済かどうかによって精神的負担も大きく異なるため、混同しないように覚えておきましょう。

FXではリスク管理が重要

FXで成果を出すためにはリスク管理が非常に重要です。リスク管理というと、高度な判断能力や専門知識が必要なイメージを抱くかもしれませんが、本稿でご紹介してきた注意点を意識することができれば難しいことではありません。

ロスカットの仕組みについて理解したうえで、低レバレッジの取引を行いながら証拠金維持率の推移を確認し、場合によっては損切りも行うことでリスクを抑えることが可能です。また、注文時にストップロスのオーダーも併せて入れておけば、想定外の損失が発生することも防ぐことができます。

FXを始める際には利益を狙うだけでなく、損失を最小限に抑えるためのリスク管理についてもしっかり取り組んでいきましょう。

アヴァトレードで口座開設して、ロスカットを実際の取引で体験

FX会社を選定する

口座を開設するために、まずは利用するFX会社を選定する必要があります。FX会社の選定は、その後の取引に大きな影響を及ぼすため慎重に検討していきましょう。また、各社が設定しているロスカットのルールや手数料、キャンペーンの有無なども事前に確認しておくことが重要です。

口座を開設する

FX会社の選定を終えると、いよいよ口座開設手続きを行っていきます。公式ホームページにアクセスし、申込フォームに必要事項を入力していきましょう。基本的な個人情報に加え、入出金用の銀行口座や現在の資産額なども入力を求められることがあります。また、本人確認書類として、申請者の住所氏名とマイナンバーが確認できる書類も用意しておきましょう。本人確認と入力事項の審査が無事完了すれば、口座開設手続きは完了です。

なお、FX会社によっても異なりますが、口座開設手続きは土日含め24時間申請可能となっています。

資金を入金する

無事に口座開設が完了したら、資金を入金します。入金方法は「銀行振込」に加えて「クイック入金」も選択できるため、銀行窓口やATMに行く時間がないという方でもすぐに入金することが可能です。なお、クレジットカードやPayPalなどのオンライン決済は、日本の法律によって規制されているため対応していません。

逆に言えば、クレジットカードやオンライン決済に対応しているFX会社は、金融庁の登録を受けていない「違法事業者」ということになります。違法事業者と取引を行ってしまうと、さまざまなトラブルに発展する危険性があるため、対応している決済方法は必ず確認するようにしましょう。

取引を開始する

資金を入金したら、FX取引をスタートする準備は完了です。実際に取引をスタートする際は、本稿でご紹介したロスカットに関する注意点なども参考にしてみてください。また、FX取引にまだ慣れていないという方は「デモトレード」の活用も検討することをおすすめします。デモトレードを活用することによって、実際の資金が減少することなく取引を疑似体験することが可能です。まずはデモトレードで取引の流れを確認し、そこから実際のFX取引に移行していきましょう。

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