FXのスプレッドとは?意味や仕組みをわかりやすく解説

FXのスプレッドとは?意味や仕組みをわかりやすく解説

FXにおいて非常に重要な意味を持つ「スプレッド」。取引では常に関係しているものですが、FX初心者の中にはスプレッドについて詳しくご存知ない方も多いのではないでしょうか。FX取引で利益を最大化していくためには、スプレッドについての正しい理解が必要不可欠です。そこで、この記事ではスプレッドに関する基礎知識や仕組み、計算方法などについて詳しく解説していきます。

FXのスプレッドとは?

外貨取引では買値と売値が別々に設定されており、両者には価格差があります。この価格差のことをFXでは「スプレッド」と呼び、実質的なコストにあたります。どんな商品にも需要と供給のバランスがありますが、FXにおいても「通貨を買いたい人」と「通貨を売りたい人」がいるため、通貨間には価格差が発生するという仕組みです。

例えば、米ドル/日本円の通貨ペアで売値だった場合、スプレッドは0.005円です。スプレッドはコストにあたるため、価格差が小さいほど利益を出せる可能性が高くなります。つまり、FXでは「できる限り狭いスプレッドで取引を行うこと」が利益を最大化する基本的な立ち回りになるといえます。

なお、スプレッドでは価格差が小さいことを「狭い」、価格差が大きいことを「広い」と表現することも覚えておきましょう。

スプレッドの単位ってなに?計算方法とは

スプレッドの単位には「銭」と「pips」の2種類があります。まず「銭」とは、通貨ペアの一方が日本円の場合に用いられる単位のことを指します。米ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円といった通貨ペアの場合です。

次に「pips」とは、日本円を含まない通貨ペアで用いられる単位のことを指します。米ドル/ユーロ、NZドル/米ドル、韓国ウォン/カナダドルなどが挙げられます。つまり、国際的なスプレッド単位にあたるのがpipsです。元々は「percentage in point(pip)」の略称で単数形だったものに、複数形がついてpipsとなりました。

なお、「銭」と「pips」を円換算した場合の目安は次のとおりとなります。

 

pips

円換算目安

1銭

1 pips

0.01円

10銭

10 pips

0.1円

100銭

100 pips

1円

では、上述した米ドル/日本円の場合で、実際にコストがいくらになるのか考えてみましょう。

 

Bid(売値)

Ask(買値)

144.745円

144.750円

 

この場合、スプレッドは0.005円。つまり「スプレッド=0.5銭(0.5Pip)」ということになります。この状態で1,000ドル購入した場合、支払うコストは5円です。これだけでは、たった数銭の差額が損益に直結するとはイメージしづらいかもしれません。

しかし、仮にスプレッドが5円(500Pip)で1,000ドル購入した場合どうなるでしょうか。その際に支払うコストは5,000円となります。さらに取引量が増えた場合、コストの差はどんどん大きくなっていきます。取引数が多くなるFXでは、わずかなスプレッド差が損益に大きな影響を及ぼすことを理解しておきましょう。

通貨ペア

購入価格

スプレッド

コスト

米ドル/日本円

1,000ドル

0.5銭(0.5Pip)

5円

5円(500Pip)

5,000円

スプレッドはどうやって決まる?なぜ変動するのかを解説

基本的に、スプレッドは様々な要因によって常に変動しており、各FX会社によっても設定が異なります。また、本来であればFX会社が提示するスプレッドも小刻みに変動するはずですが、それでは取引を円滑に進めることが困難となってしまいます。そこで、多くのFX会社ではスプレッドの「原則固定」を行い、安定した取引ができるよう配慮しているのです。

しかし、原則固定されているからといって、FX会社のスプレッドが絶対に変動しないというわけではありません。例えば、コロナ禍などの影響によって為替市場に大幅な変動が生じた際には、狭いスプレッドを維持することが困難となりました。また、市場の流動性が低下した場合にも「Bid(売値)」と「Ask(買値)」の差が拡大していきます。

経済不況や国際社会の混乱などが生じた場合、外国為替市場にも大きな影響を及ぼすため、これらの要因にはくれぐれもご注意ください。

このように、FX会社の提供するスプレッドには市場の流動性が低下する時間帯などの制限があります。また、取引量の制限や、使用する取引プラットフォームの影響も考えられます。狭いスプレッドで取引を行うことはコスト削減につながりますが、さまざまな要素を総合的に判断する必要があることを覚えておきましょう。

スプレッドが変動する理由とは?知っておきたい基礎知識

重要な経済指標発表の前後

重要な経済指標が発表される際には、その前後のタイミングで相場に大きな変動が起こり、スプレッドが広くなる可能性があります。特に重要なのが、第一金曜日に発表される「米国雇用統計」です。米国雇用統計とは、米国における業種部門別の就業者数・失業率を労働省が集計し、毎月発表しているものを指します。この統計は米国の景気動向に大きく関係する重要な指標であり、為替相場が変動する要因にもつながっています。金融政策に密接に関わるビッグイベントであるため、FXを始める際は必ず覚えておきましょう。

突発的かつ世界的なイベント

自然災害やテロなど、経済に大きな影響を及ぼす事態が発生した場合、相場が変動することでスプレッドが広がりやすくなります。また、各国の首脳や政府高官などによる「要人発言」も相場に大きな影響を与える要因のひとつです。特に、米国の中央銀行にあたる「FRB(連邦準備制度理事会)」の議長による発言は、相場への影響力が強いため注意が必要です。

FX取引の流動性の低い時間帯

市場の流動性も、スプレッドの拡大につながる大きな要因のひとつです。例えば、早朝や年末年始といった取引参加者が少ない時間帯には、相場が急変してスプレッドが広がるケースがあります。特に、日本時間の午前6時~7時の時間帯はニューヨーク市場がクローズするため、取引参加者が減少します。取引参加者数に比例して流通量も減少するため、市場における「Bid(売値)」と「Ask(買値)」の差も拡大することになります。

スプレッドが大きく変動した近年の事例をご紹介

スプレッドが大きく変動した近年の事例としては、2020年春の「コロナショック」が挙げられます。2020年2月下旬頃、アジアを中心に感染拡大した新型コロナウイルスの影響によって、投資マネーがアジア圏から米国へと退避。しかし、3月に入ると欧米にまで感染が拡大し、今度は米国からも投資マネーが退避しました。その結果、1ドル112円台であった円相場が、瞬間的に1ドル101円台まで高騰したのです。

わずか数週間の間に、円相場の値幅が10円を超えたコロナショック。このような異常事態が発生した場合、多くのFX会社が狭いスプレッドを維持することが困難となるため、原則固定を中止せざるを得ない状況となることを覚えておきましょう。

ここは押さえよう!FX会社の選び方のポイント

金融庁の登録を受けている?

 日本に居住している方を対象に金融商品取引業を行う場合、金融商品取引法にもとづく登録を受けなければなりません。FX取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に該当するため、このルールの適用対象です。仮に海外の事業者であったとしても、日本に居住している方に対して金融商品取引を行うには登録が必要となります。

しかし、FX会社によっては金融庁への登録をしないまま、無登録で営業をしている違法事業者が存在します。これらの違法事業者は、日本国内の規制をはるかに上回る高レバレッジの取引が可能であることなどをアピールし、FX取引の違法勧誘を行っています。魅力的な内容に感じてしまうかもしれませんが、違法事業者との取引にはさまざまなリスクが潜んでいるのです。

具体的には、「取引画面の改ざんを受ける」「出金ができない」「口座を凍結されてしまう」などのトラブルに発生する危険性があります。さらに、これらのトラブルが発生してしまったとしても、違法事業者との連絡がとれずに追及が困難となるケースがほとんどです。

FX会社の選定は、その後の取引に大きな影響を及ぼします。利用を検討しているFX会社の情報をできる限り収集し、信頼できる会社かどうかを見極めなければなりません。なお、アヴァトレードは金融商品取引業の登録を受けた事業者であるため、安心してご利用いただけます。登録状況については金融庁の公式サイトにて確認できるため、FX会社選定の際は参考にしてみてください。

 スプレッド以外の手数料はない?

FX会社によっては、スプレッド以外にも様々な手数料がかかる場合があります。例えば、FX口座の入出金手数料や口座維持手数料、取引手数料などです。また、銀行振込しか取り扱いのないFX会社だった場合、振込手数料もかかることになります。

狭いスプレッドが設定されていたとしても、これらの手数料がかかると利益を圧迫してしまいます。FX会社を選定する際は、スプレッド以外の手数料の有無についても確認することが重要です。

スプレッドは原則固定になっている?

FX取引のサービスでは、大きくわけて2種類のスプレッドがあります。Bid(売値)とAsk(買値)が変動した場合でもスプレッドを一定に保つ「固定スプレッド」と、相場によって変動する「変動制スプレッド」です。上述のとおり、多くのFX会社では安定した取引が行えるようスプレッドを「原則固定」しています。しかし、すべてのFX会社がスプレッドを原則固定しているわけではないため、各社公式ホームページなどでしっかり確認しておきましょう。

なお、相場が大きく変動する事態が生じた場合には、スプレッドの原則固定が解除される可能性があることにも注意が必要です。

約定率は一定の高さを保っている?

約定率とは、注文全体のうち希望価格で成立した取引数の割合のことを指します。FX会社の約定力が高いほど約定率は上がり、希望どおりの価格で取引が成立する確率が高いことを示します。逆に約定率が低い場合、希望価格で取引できずに不成立となるか、希望からずれた価格(スリッページ)で取引が成立してしまうリスクがあるため注意が必要です。

このスリップページは、発注から約定までのごくわずかな時間に、為替レートが変動することによって発生する可能性があります。為替レートが変動する方向によっては有利な価格で約定できる場合もありますが、不利な価格で約定してしまうリスクもあるのです。

FX会社を選定する際は、約定率が一定の高さを保っているかという点もチェックするようにしましょう。

FXの口座開設の流れ

FX会社を選定する

口座を開設するにあたり、まずは利用するFX会社を選定していきます。その後の取引に大きな影響を及ぼすため、どのFX会社を選定するのかは非常に重要です。各社が設定しているスプレッドや手数料、キャンペーンの有無などを比較しながら慎重に検討していきましょう。

口座を開設する

希望条件に合うFX会社の選定を終えたら、口座開設手続きに移ります。公式ホームページにアクセスし、口座開設の申込フォームを入力していきましょう。申請の際は住所やメールアドレスなどの基本情報に加え、入出金用の口座情報や現在の資産額などの入力を求められます。なお、FX会社によっても異なりますが、口座開設手続きは土日含め24時間申請可能です。

続いて、本人確認書類を提出していきます。申請者の住所氏名が確認できる書類とマイナンバーが確認できる書類が必要になるため、マイナンバーカードをお持ちの方はそちらを提出しましょう。本人確認と審査を無事終えると、口座開設手続きは完了となります。

資金を入金する

口座開設の完了後、資金を入金していきます。入金方法は「銀行振込」か「クイック入金」を選択できますが、反映が早いうえに窓口やATMに行く手間も省けるクイック入金がおすすめです。なお、クレジットカードやオンライン決済に関しましては日本の規制で認められていないことから対応しておりません。

つまり、クレジットカードやオンライン決済に対応しているFX会社は、金融庁の登録を受けていない違法事業者であるということです。上述のとおり、違法事業者と取引を行ってしまうとさまざまなトラブルに巻き込まれる危険性があります。どの決済方法に対応しているのか、入金前に必ず確認しておきましょう。

取引を開始する

資金の入金を終えると、取引開始までの準備は完了となります。ここですぐに取引を開始することもできますが、FX初心者の方には「デモトレード」の活用がおすすめです。デモトレードとは仮想資金を用いて取引を疑似体験できるツールであり、実際の資金が減る心配もありません。まずはデモトレードで取引の流れを覚えてから、実際のFX取引に移行していきましょう。

安心できるスプレッドでFX取引するなら、口座開設はアヴァトレード

FX会社を選定するうえで、スプレッドは重視すべきポイントのひとつです。スプレッドは狭いほど利益を得られる可能性が高くなりますが、「原則固定になっているか」という点や「スプレッド以外の手数料はないか」といった点にも注意を払う必要があります。

「原則固定かつ低スプレッド」を実現しているアヴァトレードであれば、初心者の方でも安心してFX取引を行うことが可能です。さらに、取引手数料も無料で通貨ペアも豊富に用意されているため、幅広い方にご満足いただけるサービスをご提供しています。安心できるスプレッドでFX取引をしたいという方は、是非ともアヴァトレードで口座開設をご検討ください。

関連記事

口座開設を検討する人

まずは、
口座開設から始めましょう!

口座開設を検討する人